2025年のゴールデンウィークに能登に行ってきました。
2024年の能登地震で被害を受けた建物を次の住まい手に引き継いでもらうための実測調査に参加させて頂きました。

地震から1年半近くが経ちましたが、数少ない能登半島に通じる道はまだ復旧途中で、崩れた姿そのままの道もあったり、凸凹していたり。それでも当初よりはかなり復旧していて、交互通行の部分もかなり少なくなっている状況とのことでした。一面に広がる田んぼと山を背負った家々、という風景が私の中の能登の原風景です。能登は祖父母の育った町で、私自身も中学に上がるまでは毎夏訪れていました。

今回地震後に初めて訪れましたが、今回訪れた地域では残っている建物と完全に倒壊してしまっている建物と、場所によって差が大きく感じました。また、外観から見える被害は大きくなくても、家の中に入ると柱が倒れていたり、壁仕上げが崩れていたりするものもあり、外観だけでは測れない被害も多いのではと思いました。再利用できそうなお宅に伺い、当時の様子や現在の心境など、色々とお話を伺いました。能登は2007年にも地震に見舞われいて、その時に大規模な修理を経て暮らし続けている人も少なくない状況の中で今回の地震に再び見舞われました。1回なら頑張れたけれど、もう一度同じように頑張るのは難しい。そんな言葉を聞きました。昔から住み慣れた場所でずっと暮らしたい気持ちはありながらも、自身も年を取っていく中で自由が利かなくなっていくことを考えると居を移す必要にも迫られ、とても複雑な思いが入り混じる状況を率直に聞かせて頂きました。

年に一度、親戚一同が集まり楽しい時間を過ごすはずだった正月、思い出を重ねるはずだった家が被災し、生活が一変する中でも我慢強く暮らしている能登の皆さんの心落ち着ける場所が一日も早く整うことを祈りつつ、そのために出来ることに少しでも協力できればと思っています。

(写真に写っているお宅が今回調査したお宅ではありません。)